2014年6月10日火曜日

【Review】Yacht. "MOL"(2009)

久しぶりのレビュー。今回は僕の大好きなアルバム。

Yacht. "MOL"(2009)
Rate 4.55/5.00

大阪のポップパンクバンド、Yacht.が09年にリリースした2nd。彼らはこの翌年に解散してしまったので、最後の音源でもある1枚。

全編を通じて少しなよっとしていてそれがエモさを際立たせるボーカルと、Beach Boysかと思うような重厚なコーラスが聴こえてきます。Beatlesであったりオールディーズからの影響は、実際にメンバーが常に公言しているところでもあって、そのオールディーズっぽさがそのまま彼ら特有の底抜けたポップさに繋がっているんじゃないかなと思ったり。



個人的にはこの中だとM-2の"Musicoholic"、M-3の"MOL"、M-9の"Strawberry Fine"が好きです。どれもこれぞパワーポップ!とでも言わんばかりの突き抜けた曲で、毎年夏が来るたびに聴いてしまう。

この他にもM-5の"Mr.Peterson"は2拍子で進行していたり、ぬくもりのあるリバーブがかったボーカルから始まるM-6"Wow Wow"だったり、ひとひねりした展開の曲が多い。こうした一連の「ひとひねり」はどれもオールディーズっぽさを曲に直接、しかもわかりやすい形で落とし込んでいることから生まれてくるのだと思う。オールディーズからの影響を公言するバンドは多いけど、ここまで大胆に曲に取り入れるバンドも珍しい。そうしたところが他のバンドにはない大きな特徴なのではないでしょうか。

解散後は音楽から離れてしまったメンバーが多く散り散りになっているみたいだけど、いつか活動再開してくれないかなあ、と心から願ってます。

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