2014年11月3日月曜日

【Disk Review】Mercy Street "Let Me Live"(2014)

Scottが帰って来た!

Mercy Street "Let Me Live"(2014)
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言わずもがな、2012年に解散したRufioのScottの新バンド、Mercy Streetの1stです。これまでにEPを1枚リリースしてましたが、その収録曲も含めて全13曲。

元○○の〜などという言葉を使って前バンドとあれこれ比較したくはないのですが(特にビッグネームであればあるほど)、そこに触れないでどうする!って出来です。Scottおじさん健在でした。(テンポが)速い、(ギターが)テクい、(ボーカルが)エモいの3拍子揃った曲が並んでます。

ただEPの曲と新曲だと少し方向性が変わりつつあるのかなと感じます。EP収録曲は"Anybody Out There"の延長線上ともとれるような曲が多く、尖った印象があったのですが、アルバムの新曲は角が丸くなったような印象の曲が目立ちます。ギターのゲインを落として、元々繊細だったリフがより繊細なものとして浮かび上がったことと、Scottの相変わらずの甘い声がいい効果を生んだのでしょう。



曲単位では、先行EP収録のM-4"Try Hard"、M-8"Don't Tell The Truth"あたりはアルバムに入ってもさすがのキラーチューンでしたね。



新曲だと、ゆったりしたテンポ(彼らにとって)で歌うM-5"Fall In Line"が素晴らしいです。ファストな曲だけではなくて、こういう肩の力がふっと抜けたような曲を作るのずば抜けて上手いですよね。テクいNOFXとでも言えそうなM-3"Guilty Conscience"なんかもパンチは十分。



あとはRise Againstの新作にも通ずる雰囲気を持つM-13"We See The Ending"。おそらくこのバンドの曲はScott主体で作っているのだと思います。確かに彼のバンドとしてのキャリアはこの数年ほぼストップしていたかもしれないけれど、それでもシーンに常にアンテナを張り続けていたからこその1曲ではないでしょうか。そう感じただけにこの曲は鳥肌もんでした。

自分のフォロワーとも呼べるバンドたちや友人が築いたシーンを理解し、そのエッセンスを新曲に落とし込んできた、素晴らしいアルバムだと思います。

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