2014年11月19日水曜日

【Disk Review】PUP "PUP"(2014)

個人的には今年リリースだとナンバーワン。

PUP "PUP"(2014)
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トロントのパンクロックバンド、PUPの1st。元々はTopangaって名前でやってたみたいです。レーベルは老舗Side One Dummy。このレーベルの名前を聞くとどうしてもSlick Shoesが思い出されてしまうんですけど、彼らは自然消滅なんでしょうか…

Alternative Pressが毎年やってる"100 Bands You Need To Know"にも今年選ばれてるみたいで、注目度はバツグン。

全編とにかく「強烈」という言葉につきます。青さと狂気の間のギリギリを攻める感じがたまりませんね。日本のバンドだけど、銀杏BOYZとかに近い物を感じます。インディーロックをベースにしたパンクでありながら、少しプログレッシブな所もあったり、そのバランスが絶妙で、とにかく伝わってくる熱量とその密度が尋常ではないです。ドラッグとかアルコールとかでハッピーになって、「これかっこよくない!?」って言いながら曲作ってたりするのかなあと。

本当にどの曲もすばらしいんです。もう聴けばわかるから全部聴いてみてくれと思うくらいです。素朴がベースにあり、そこからコロコロと表情を変えるボーカル、時にハッピーで時に枯れた味わいと様々な顔を見せるギター、様々なリズムで小気味よさもアグレッシブさも変幻自在のリズム隊、全てが最高なんです。

僕がオススメなのはM-1"Guilt Trip"、M-3"Mabu"、M-4"Never Try"、M-5"Yukon"、M-8"Cul -de- Sac"、M-10"Factories"です。ほら半数以上オススメ。


"Never Try"、"Cul -de- Sac"あたりは仕事帰りの地下鉄とか、そういう少し疲れた雰囲気の場所で聴きたいですね。淡々とした雰囲気の曲でありながら、それにそぐなわないような熱量のリフやコーラスが入ってくるので、ちょっと元気でそう。



"Mabu"はとにかくハッピー。弾けるようなリフと落ち着きのないリフがたまらないですね。フジロックの午前中早い時間帯に、ビールを飲んだりする非日常な感じの中で聴いたらこちらもすごいハッピーになりそう(フジロック行ったことないですごめんなさい)



かと思えば"Yukon"。どっしりと構えたリズム、枯れたギターがベースで、後半になるにつれて熱量がどんどん上がっていくのは圧巻。思ってるよりも緻密に?積み上げられているコーラスもいいですね。やんちゃな曲ってライブだとシンプルに盛り上がるんだけど、この曲みたいにじわじわと熱量が上がる曲ってものすごいコアな盛り上がりを見せるんですよね。これライブで見てみたいなあ。

とても素晴らしいアルバムですが、ライブになったらどうなってしまうんだろうっていうのが正直な感想です。音源では伝えきれなかった熱量がどのようにオーディエンスである僕たちを揺さぶってくれるのか。いやあかっこいい。そしてライブ観てみたい。

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