2015年1月26日月曜日

【Disk Review】Lions Lions "To Carve Our Names"(2012)

久しぶりの投稿と今年初のディスクレビューです。卒論 is over。

Lions Lions "To Carve Our Names"(2012)
Rate 4.32 / 5.00


最近一番聞いてるアルバムかもしれません。ボストンのポストハードコアバンド、Lions Lionsの2nd。メンバーは元AL4W、Vannaだったりボストンを代表するバンドのメンバーのようです。

メロディックなパンクをベースに、所々でポストハードコアとかスクリーモとか言われるようなブレイクダウン、シャウトを入れ込んでる曲がとても多いです。シャウトは最近のハードなシャウトってよりはよりゲインの少ない、生々しいもの。"Page Avenue"の頃のStory Of The Yearを少しメロディックパンク寄りにして、モダンな落としを少し入れた、っていうのが彼らを一番説明しやすい言葉かもしれません。



あと彼らに1つ特徴的なのは、M-2"Undertow"など随所に見られるR&Bみたいなちょっと遊び心ある歌い回し。聞いていて「おっ」と曲に吸い込まれて行きます。AL4Wもそうだしさすがボストン(違う?)。R&Bのカバーソングも出してたりするので、そういった所からの影響も大きいのでしょう。そう考えると音数が他のバンドに比べたらかなり少ないように感じるのも納得します。

アルバムのリードトラックはMVにもなっているM-1"Milestones"。イントロのリフの勇壮さとその後のはち切れんばかりの疾走感、シンガロング必至のサビ、全ての流れが完璧です。イントロのリフが鳴った時点で身体が嫌でも反応しちゃう。


そしてこのMVは以前紹介した事ありますね。これどうやら彼らの地元ボストンでのWarpedに出演した際にライブ映像みたいなんですが、バンドの観客に対する熱と観客の熱がガチガチにぶつかり合った、とってもいい映像だなあと思います。

メロディックパンク meets ポストハードコアな曲だとM-4"White Flag"、M-6"Carry On"なんかも好きです。甘い歌声の疾走パートからの落差とシャウトのエグさのギャップがたまりません。おそらくメロディーの甘い声がなければブレイクのシャウトは映えないと思うし、逆もしかりでお互いがお互いを引き立て合っています。



後半はちょっとグッと来る曲が少ないのだけど、M-8の"Grounded"はかなりの名曲です。ちょっと大きなホールとかが似合いそうな曲調とメッセージ性の強いMVの組み合わせは、Rise Againstを彷彿とさせますね。最後コーラスだけになって終わるのもライブだったら会場の一体感がすごそう。


彼らは最近のポストハードコアとかスクリーモとか言われる音楽が熱量重視になりがちな中で、SOTYとか初期のバンドの感覚に近い所に存在する数少ないバンドと言えるでしょう。爆発しそうな熱量だけで力押しに走るのではなく、他のジャンルからの影響もふまえる事で緩急のついた、とても聞きやすいアルバムだと思います。


追記:彼らが今度リリースするEPからリードトラックのMVが先日公開になっています。いきなりポップパンクっぽくなったのでビックリしました。出だしで"Undertow"の曲がちょっと流れて「これじゃない」って顔をするシーンがあったりするので、この曲だけでなく全体的に大きくシフトチェンジしてるかもしれませんね。メンバーが楽しそうなのでこれはこれでいいのだと思います。笑

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