2015年8月13日木曜日

【Disk Review】Firestarter "A Life Inconsistent" (2015)

新たな可能性が提示された1枚。

Firestarter "A Life Inconsistent"(2015)

アメリカ、NYのメロディックパンクFirestarterが先日リリースした3曲入りシングルです。一時期アーティスト写真が3人だったのですが、最近4人の写真が公開されているのでおそらくメンバーチェンジがあったようですね。

前作のEP"Forget The Past"はスピードとスタイリッシュさを兼ね備えた王道のメロディックサウンドが印象的だったのですが、今回はミドルチューンが多くなっていますね。シンプルにグイグイ押してくるというよりは、少しシリアスに、一つ一つメロディーを選びながらじっくりと歌い上げている印象。メロディーのナイーブさというか、ちょっと思い詰めた感じでなんとなくRufioに近い物を感じました。音も全体的に湿った感じになっているので、一層その感じが引き立てられています。

こうした「聴かせる」方向へのシフトチェンジを図ったバンドの中で、「おっ」と感じたのはベース。ベースだけは前作より力強くなりましたね。おそらくミックスの問題もあるけれど、太さが増したことでバンド全体に一本芯が通った感があります。これがなければもう少しナヨッとした作品になっていたはず。それはそれで少しどうなるのか気になるけれど。ただ彼らの持ち味であるスタイリッシュさが大きく関わる部分なので、個人的にはこれがベストなのではないかと思います。

それぞれの曲に目を向けるとこれまでのシンプルなサウンドで聴き手を熱狂させてきた彼らとは違う、シリアスでグッと引き込まれるような感覚に包まれるM-1"Troubled Existence"、夜空が似合いそうな特徴的なリフがフィーチャーされたM-2"Worth the Wait"、疾走感あふれるパートとビッグなコーラスと少しハードコアライクな展開が出てくるM-3"Headstones and Old Bones"と、三者三様パンチが聴いていて素晴らしいです。

特にM-3の疾走パートの畳み掛けるような勢いは相変わらず健在。聴かせる方向に完全にシフトしたのかはわからないけど、こういう展開の中で勢いある音を鳴らせるあたりバンドとしての懐の広さを感じさせますよね。緩急もつくし、アクセントとして力押しを入れるこのスタイル、僕はとてもいいと思います。

3曲の中で見せてきた新しいスタイルが、今後どう昇華されていくのか。非常に楽しみになる1枚でした。オススメです。

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