2017年3月18日土曜日

【Disk Review】Young Hearts "In The Middle You'll Find Balance"(2017)

新たなメロディック職人!

Young Hearts "In The Middle You'll Find Balance"(2017)



ベルギーはHemiksemという街のメロディックパンク、Young Heartsの1stフルです。Thanks But No Thanks Recordsというベルギーのメロディック/ハードコア系のバンドが多く所属するレーベルからのリリース。今年のGroezrockにも出演が決まっているようです。

彼らは90年代に影響を受けた王道なメロディックパンクかと思いきや、随所にプログレッシブな展開とテクニカルなフレーズを散りばめてくるなかなかの曲者です。スカッとすがすがしい疾走パートからクリーンパートになったり、Propagandhiよろしくな複雑なキメをバシバシ決めたり、とにかくどの曲も一筋縄では行きません。



特に初めて聞いてビックリしたのがMVにもなっているM-2"Animals"。清涼感あふれるイントロから一気に疾走パートと共にボーカル…と思いきや超タイトなクリーンパートでテンションを落としきってから歌に入ってきます。その後一気に燃え上がるような力強いサビがあって、もうそれだけで拳が上がるのなんの。どのジャンルにもある展開の常套句を完璧に無視しているんだけど、それが最高にカッコいい。

他の曲には”Animals”みたいな超展開こそないんだけど、それでもキメやリードをきっかけにしてギアがググっと上がる曲が多くて、そのたびにガッツポーズ不可避。あと彼らはどの曲も聴き手に「おっ」と思わせる強烈なアピールポイントを持っていて、次に何が来るのかのワクワクが止まらないんですよね。「おっ」と思わせてから一気にギアを上げて…みたいな、シンプルなアプローチではあるんだけど、その見せ方がとても巧み。

終盤にはちょっと意外な切り口のハードコアライクなポップパンクM-8”Awesome”だったり、ハードコアの重量感とパンクロックの痛快さを兼ね備えたM-12"Balance"だったり、他のジャンルからの影響も感じさせる曲もあって、最初から最後までワクワクしっぱなしの12曲でした。上に書いたPropagandhiやA Wilhelm Scream、Hate It Tooなど、キメが光るメロディックが好きな人はもちろんのこと、そうでない人にも是非聞いて欲しい1枚です。

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